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2022/01/07 14:12

しかし、ポール・スプーナー氏に会い、彼の話を聴くにつれ「作家の人柄を知ること。
作品を深く観察し理解すること。更にそのことを根気よく重ねること。
こうしたことが美術家やそのコレクターの基本、いや人としての基本であり、
いかに大切なことであるかに気がついたのです。いや、気付かされたのです。

例えばコレクターに限らないのですが、ひとつの仕事や技を極めるということは、それまでの私であれば
全ては仕事から学ぶ。仕事を通した経験を尊重する。仕事から得た経験値を持ってさらに仕事を推進し実践する。
そこに間違いがあれば修正する。という延長線をなぞるだけの存在に過ぎませんでした。


それはある意味正しいかもしれませんが、基本を仕事に置くのではなく、おのれの日常や人生の一部に仕事があり、
自分とその家族という生活が土台として築かれていなければ、おそらく仕事は人を成長させる役にはあまり役には
立たないのではないでしょうか。魂の入っていない御仏を作り続けるようなものです。

つづく


*写真はスプーナー氏自宅からクルマでしばらくいくとペンザンスという昔ながらの
 イギリスらしい街並みの残る地がある。クルマは日本と同じ左側通行なので走りやすい。